沖縄生物学会
第44回大会

講演プログラム
講演要旨集

2006年5月26日(土)
沖縄国際大学
5号館 107講義室


沖縄生物学会第44回大会
プログラム・講演要旨集

学会会長 西平 守孝
大会会長 宮城 邦治

会期:2006 年 5月 26 日(土)
会場:沖縄国際大学
5号館 107講義室

会場案内

79号地図

 大会日程

5月26日(土) 受付 8:15〜 5号館1階入口
  一般講演 9:00〜11:15 5号館107講義室
  ポスター講演 11:15〜12:00 5号館1階ホール
  休憩(昼食) 12:00〜13:00  
  総会 13:00〜14:00 5号館107講義室
  一般講演 14:00〜15:00 5号館107講義室
  シンポジウム 15:30〜18:30 7号館201講義室
  懇親会  18:40〜21:00 厚生会館4階ホール
休憩室 5号館106講義室

※大会参加費は1,500円・学生 1,000円です。
一般講演(5号館1階107講義室)【9:00〜11:30】
1. 9:00〜9:15 沖縄県の先島4島におけるケブカアカチャコガネ雄成虫の形態および体表ワックス比較
    秋野順治・平井剛夫・若村定男(農生研),*新垣則雄 (沖縄農研セ).
2. 9:15〜9:30 ニガウリの蕾も加害するランツボミタマバエとそれに寄生するハラビロクロバチ科2種の発見
    上地奈美(沖縄農研セ、日本学術振興会).
3. 9:30〜9:45 八重山諸島西表島で保護回収されたヒメクロウミツバメOceanodroma monorhis
    河野裕美・*水谷 晃(東海大・沖縄地域研究センター).
4. 9:45〜10:00 沖縄の立方クラゲ相に関する新知見
    *岩永節子・大城直雅・松田聖子・盛根信也(沖縄県衛生環境研究所),大場淳子(浦添市).
5. 10:00〜10:15 宮古島で見つかったヤシガニ小型個体とその生息環境
    藤田喜久(琉大・非常勤講師 / NPO法人 海の自然史研究所).
6. 10:15〜10:30 海洋博公園内におけるヤシガニ Birgus latro の生息実態
    *松崎章平,佐藤由紀子,戸田実(沖縄美ら海水族館).
7. 10:30〜10:45 リュウキュウアマモ(Cymodocea serrulata)の花と結実について
   

*野中圭介((財)港湾空港建設技術サービスセンター),與那覇健次(那覇港湾・空港整備事務所).

8. 10:45〜11:00 海藻の光合成を調べる中学校選択理科の実践例
    *飯田勇次(唐津市立西唐津中学校),市丸有里(玄海町立値賀中学校),黒河伸二(佐賀大学名誉教授).
9. 11:00〜11:15 南西諸島における生物多様性評価プロジェクトの目的と手法.GIS手法を用いた優先保全地域の抽出と生物多様性ビジョン作り.
    *安村茂樹・花輪伸一(WWFジャパン).
ポスター講演(5号館1階ホール)【11:15〜12:00】
P1. 11:15〜12:00

与那覇岳における自動撮影とその有用性について

   

*金城和三・宮城邦治(沖縄国際大学),伊澤雅子(琉大・理・海自).

P2. 11:15〜12:00 ケラマジカの好きな草調べ
    *中村光志・嵩原さちえ(座間味村立慶留間小学校),遠藤晃(佐賀大・農).
P3. 11:15〜12:00 ケラマジカの足跡について
    *糸嶺彩華・嵩原さちえ(座間味村立慶留間小学校),遠藤晃(佐賀大・農).
休憩(昼食)【12:00〜13:00】
沖縄生物学会総会(5号館1階107講義室)【13:00〜14:00】
一般講演(5号館1階107講義室)【14:00〜15:00】
10. 14:00〜14:15 沖縄島北部の砕波帯における稚仔魚調査
    *田端重夫(いであ梶j・武井直行(牛洋)・桜井雄(沖縄環境調査梶j.
11. 14:15〜14:30

八重山列島周辺海域で漁獲されるミンサーフエフキとアミフエフキの生物学的特徴

    *木曾克裕・加藤雅也・栗原健夫・小菅丈治(西海区水研石垣).
12. 14:30〜14:45 西表島浦内川マングローブ域におけるキバウミニナの産卵期と殻高組成
    *両角健太 (東海大・海洋),河野裕美 (東海大・沖縄地域研究センター),上野信平 (東海大・海洋).
13. 14:45〜15:00 屋我地島沖の小島に棲息するハトと周辺の海底から湧く気体について
    山城秀之(沖縄高専・生物資源).
故 池原貞雄先生 追悼展示(5号館1階ホール)【9:00〜15:00】

去る,4月14日(土)午前8時に琉球大学名誉教授の池原貞雄先生がお亡くなりになりました。沖縄生物学会の創設者のお一人で長く大会会長も務められ,また沖縄の生物学発展に多大なるご尽力をされていらっしゃいます。ここに先生を偲んでパネルによる追悼展示を行います。

公開シンポジウム(沖縄国際大学 7号館2階201講義室) 【15:30〜18:30】
「外来種法の盲点:見えない脅威と琉球列島の生物多様性」
代表:伊澤 雅子),琉球大学21世紀COEプログラム共催(入場無料)
1. 15:30〜16:30 五箇公一(国立環境研究所).
   ダニ輸入大国日本〜目にも留まらぬ小さなインベーダーたち〜
2. 16:30〜17:00 高良淳司(沖縄県獣医師会).
   ツボカビの野外拡散を防ぐには
3.   17:30〜18:00 上地奈美(沖縄農研セ).
   農林害虫としての外来生物-デイゴヒメコバチの例を中心に-
4.  18:00〜18:30 総合討論

 外来種対策が自然保護・生物多様性保全の上での大きな課題として取りあげられるようになって久しい。人間の活動に伴ってある地域に、そこにもともとはいなかったはずの生物が入り込むとしばしば在来の生態系、生物相に深刻な撹乱をもたらすことが広く認識されるようになってきている。
 外来種の在来種への影響に関する調査研究は,当初はその影響様式が、前者の後者に対する直接的な捕食や競合として捉えられる事例がもっぱら対象となった。しかし研究が進むにつれて、外来種の在来生態系・生物相への影響様式がはじめ考えられていたよりもはるかに多様で複雑であることがわかってきた.その一方でこのような外来種の問題への対応は、ひとたびことがおこってから対症療法的な対策を立てるよりも、あらかじめ立てられた科学的な予測にもとづき外来種の野外での定着を予防する方がはるかにリスクが低く、労力や経費の面でも合理的であることが認識されるようになった。このような考えにもとづき2004年には「外来生物法?特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」が施行されたのである。
 この法律はたとえばやんばるでマングースやノネコの、あるいは石垣島や鳩間島でオオヒキガエルのコントロールを進める際に法的根拠を提供するなどして、一定の役割を果たしてきている。しかしその一方で、特に最近になってその存在や影響の大きさが認識されはじめた、目に見えない(あるいは見えにくい)外来生物の脅威に対してはほとんど無力であることが指摘されている。おもな理由は外来生物法がその規制対象を、肉眼で明瞭に認識できるものに限定していることにある。しかし現実には、たとえば対馬ではノネコからの感染を通してツシマヤマネコを絶滅に追いやりかねないFIVの問題が、小笠原諸島でも固有の陸棲貝類の強力な捕食者であるニューギニアヤリガタウズムシの問題が、火急の要対策課題となっている。そしてここ沖縄においても、見えない脅威は迫っている。
 本シンポジウムではこのような肉眼でとらえられにくい外来生物が沖縄の生態系、生物相への脅威となっている現況や、有効な対策に関する議論を試みる。さらに現行の外来生物法の問題点や改善策についても考えてみたい。

懇親会(沖縄国際大学 厚生会館 4階ホール)【18:40〜21:00】


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