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海藻の光合成を調べる中学校選択理科の実践例
*飯田勇次(唐津市立西唐津中学校),市丸有里(玄海町立値賀中学校),黒河伸二(佐賀大学名誉教授)


  植物試料を脱色する方法として,教科書では,エタノールを加えて湯煎する方法を用いる。この方法を用いると緑藻のアナアオサでは,藻体を脱色することができ,ヨウ素デンプン反応を見ることができる。しかし,褐藻や紅藻では,この脱色方法はうまくいかない。また過熱の際,エタノールに引火する危険性もある。
先に飯田等は,「R.H.Reed and G.Orr(1997)の方法」(脱色)と「5%次亜塩素酸ナトリウム水溶液を用いる方法」(漂白)を用いて,緑藻・褐藻・紅藻について,ヨウ素デンプン反応を中心に発表した(2002)。
 教科書では,緑色植物が作り出す養分をデンプンなどとしている。しかし,デンプン以外は,具体的には取り扱っていない。 今回は,「5%次亜塩素酸ナトリウム水溶液を用いる方法」(漂白)の後,アミノ酸(タンパク質)の検出についてニンヒドリンを,油脂の検出についてスダンVを用いて,中学生でも扱える方法を検討したので報告する。